パーティー会場に隣接する控え室。
桜井隼人は会場の様子をモニターで見ながら、近くのソファに寝転ぶ男、帝峰の生徒会長・若宮椿に声をかけた。
「一時はどうなるかと思ったけど、仮面舞踏会なんて、アスカにしてはユニークなことしたよね」
話しかけられた男は、眺めていた仮面を気だるげにテーブルに置く。
1時間前に着たはずのタキシードは、既に着崩されている。
折角時間をかけて選んでやったと言うのに、嫌味な奴だ。
「どうだか。決めたのはアスカだが、提案したのは佐倉颯だ。」
「あれ、あの2人、意外と仲良くやってんだ」
「少なくとも佐倉の方に殺意はないな」
そう言って男は眠そうに目を閉じる。
つまり、アスカの方にはある、と言うことか。
「…椿って、結構アスカのこと慎重に扱うよね」
そう言って数刻前に会った彼の顔を思い出す。
「あいつの思考は俺と似てるからな」
「あ〜それは嫌だなぁ」
「殺すぞ」
男の視線にひとしきり笑った後、確かに、この男と彼は似ているかもしれないと思った。
男のために選んでやったタキシードだが、本来は別のものを用意する予定で。
一足早く買われてしまったそれを、今日彼が着ているのを見た。
自分が男に合うと思っていた品は、元から彼の物であったかのように、雰囲気にもピッタリで。
ただ、きっとこの男にも似合っただろうなと思った。
桜井隼人は男がテーブルに置いた仮面を取る。
「椿が行かないなら、俺が行くけど、いいよね?」
「好きにしろ」
男は興味なさげに呟き、背を向けるように寝返りをうつ。
その様子に半ば呆れながら、俺は1人で会場へと向かった。
桜井隼人は会場の様子をモニターで見ながら、近くのソファに寝転ぶ男、帝峰の生徒会長・若宮椿に声をかけた。
「一時はどうなるかと思ったけど、仮面舞踏会なんて、アスカにしてはユニークなことしたよね」
話しかけられた男は、眺めていた仮面を気だるげにテーブルに置く。
1時間前に着たはずのタキシードは、既に着崩されている。
折角時間をかけて選んでやったと言うのに、嫌味な奴だ。
「どうだか。決めたのはアスカだが、提案したのは佐倉颯だ。」
「あれ、あの2人、意外と仲良くやってんだ」
「少なくとも佐倉の方に殺意はないな」
そう言って男は眠そうに目を閉じる。
つまり、アスカの方にはある、と言うことか。
「…椿って、結構アスカのこと慎重に扱うよね」
そう言って数刻前に会った彼の顔を思い出す。
「あいつの思考は俺と似てるからな」
「あ〜それは嫌だなぁ」
「殺すぞ」
男の視線にひとしきり笑った後、確かに、この男と彼は似ているかもしれないと思った。
男のために選んでやったタキシードだが、本来は別のものを用意する予定で。
一足早く買われてしまったそれを、今日彼が着ているのを見た。
自分が男に合うと思っていた品は、元から彼の物であったかのように、雰囲気にもピッタリで。
ただ、きっとこの男にも似合っただろうなと思った。
桜井隼人は男がテーブルに置いた仮面を取る。
「椿が行かないなら、俺が行くけど、いいよね?」
「好きにしろ」
男は興味なさげに呟き、背を向けるように寝返りをうつ。
その様子に半ば呆れながら、俺は1人で会場へと向かった。
