幼馴染×存在証明

更衣室にて、遥に借りたテニスウェアに腕を通す。


隣で着替える遥が申し訳なさそうに呟いた。


「涼香、ごめんね…、またあたしのせいで面倒なことになっちゃった。」


「ううん、気にしないで。それよりダブルス、受けてくれてありがとう」


結局、先輩チーム vs 涼香・遥チームという、男対女の一点先取制で戦うことになったのだ。


審判は、ギャラリーとして集まってきた他のテニス部員が引き受けてくれた。


私たちが勝てば私は東雲先輩と、先輩たちが勝てば私は佐倉颯とダンスパーティでパートナーになる。


「確認するけど、涼香は勝って東雲先輩とパートナーになりたいのよね」


いつになく真剣な表情の遥にそう問われ、頷く。


今となっては、当初の断りやすい、という目的に意味は無くなってしまったが、乗りかかった船だ。


それに、東雲先輩との方が気を使わないで済むのは間違いない。


「佐倉先輩には悪いけど、あたし、全力でやるわ」


「遥…」


「あたし、こんなんでも一応、帝峰女テニの主将を狙ってるんだから。こんなところで負けてられないわ。

例え相手が男子でも、涼香となら、勝てると思う」


手首のバンドを締め、遥は瞳に力を込める。


その横顔を見て、私の胸の奥が熱くなる。