幼馴染×存在証明

「す、すごい…」


女子生徒たちから感嘆の声が上がる。


「あの、ありがとうございます!…実はこのリスト、記憶を頼りに自分たちで作り直したものなんです。元のものは無くしてしまって…

忙しくしてる先輩にもう一度書いてくださいとは、言いづらくて…」


安堵したように瞳を潤ませる女生徒に、別の女生徒が寄り添う。


「ええ、でも、どうしても思い出せない本があって、元のリストと数が合わなかったんです。

でも、これ…、多分ですけど、元のリストにあったものも、全て網羅していると思います」


「しかも、こんなに早く揃えてくださるなんて、どうお礼をしたら良いか」


そう言って彼女たちは私の手を握る。


「そんな。私は図書委員ですので、当たり前のことをしただけです。お気持ちだけで十分ですので、早く持っていってあげてください」


そう微笑むと、女生徒たちは照れたように頬を染め、何度も会釈をしながら図書室を出ていった。


「すごいね」


貸し出しカウンターに戻ると、東雲先輩から声をかけられた。


初めて聞く先輩の声に驚く。


この人喋れたのか。


「いえ…、同じような経験を何度かしていたので。特別なことではないんです」


「…あのさ、もっかい名前聞いていい?」


こて、と首を傾げる先輩。


どうやら本当に、先のお誘いには全く興味がなかったらしい。


「花咲涼香です」


「涼香、得意なことはある?スポーツとかゲームとか、勝敗がつくもの」


そう問われて少し考える。