幼馴染×存在証明

「新歓って、何するの?」


私の質問に玲華が答える。


「毎年お題は生徒会が出すのよ。今年はダンスパーティーって言ってたかしら。

若宮会長と桜井副会長らしいお題ね。」


若宮会長に桜井副会長、ジュリの話にも上がっていたが、一体どんな人たちなのだろう。


「ダンスパーティって言うと、男女でペアになるんだよね、美久、できるかな…」


「何言ってんの!あんた可愛いんだから、大ジョーブよ!大ジョーブ!」


美久の背をバシバシと遥が叩きながら言う。


「そうね、遥の方が心配だわ。」


「なっ…」


玲華に指摘されて遥が頬を染める。


しかし、ダンスパーティ…正直私も相手には困る。


「涼香は佐倉先輩誘うの⁉︎」


「え?いやまさか」


「あれ?じゃあ、アスカ先輩ともう約束してるとか?」


「それもないかな」


「遥…あなた懲りないわね」


玲華が呆れたようにため息をつく。


ペアの相手…真美に相談してみようか。


自分と同じく新歓が初めての遥たちには、相談しても困らせるだけだろうし、主催のアスカは忙しいだろう。


ジュリに相談するには、意図的か否か、先の委員会の例があったので、少し気が引けた。


また何か企まれても困る。


授業終了のチャイムが鳴る。


私たちはまとめ終わった資料を手にそれぞれ元の位置に机を戻した。