「審査?」


「そう、今度開かれる新歓の主催は、生徒会じゃなくて中央委員会!実質、次の会長を決める最初の審査なのよ!」


遙が意気揚々と息巻いている。


グループワークで同じ班になった涼香・美久・遙・玲華は、教室で机を合わせ、資料を整理していた。


今は自習時間で、クラスの生徒たちは思い思いに過ごしている。


「帝峰の生徒会は、2年の前期が審査期間、後期から生徒会に任命されて、半年間活動。

そして3年の前期にはもう次の生徒会役員を選ぶための審査期間になるのよ。」


隣に座る玲華が、説明を加えた。


「でも、今年の中央委員には三嶋先輩がいるから、審査の意味はあまりないかも…?」


そう呟く美久に、待ってましたと言わんばかりに遥が身を乗り出す。


「そ!れ!が!佐倉先輩が中央委員会に入ってから、会長候補が2人になったんじゃないかって噂なのよ!

あ〜、あたし、何で中央委員じゃないのかしら。アスカ先輩と佐倉先輩に挟まれて仕事できるなんて考えただけで…」


遥がうっとりと手を合わせる。


「どうやらそんなに良いものでもないらしいわよ。聞いたところ、2人ともあまり仲が良くないらしいし。

表立って喧嘩することはないけど、中央委員の他のメンバーは、結構板挟みになってるみたいで、大変だって聞いたわ。」


佐倉先輩が中央委員会に入ったことは、委員会の翌日にはもう学校中に広まっていた。


正直、アスカの次期会長の座は揺るがないと思うが、佐倉先輩の人気の勢いには涼香も驚いていた。