幼馴染×存在証明

このハンカチは、昔、泣いていた私を慰めてくれたジュリがくれたハンカチで。


あの頃はまだアスカに肩を貸すなんて考えられなかっただろうなと思う。


今だって、お互いに意識があればこんなことはしないだろう。


ハンカチを一枚挟んで伝わる温もりは、先ほどよりも柔らかい。


暫くすると、私もだんだん眠くなってきて、目を閉じる。


普段の生活と少し違うだけで、人は疲れを感じやすくなるものだ。


私でさえ今日はいつもより疲れを感じているのだから、学校に加えて財閥のことでも頭を働かせているアスカなら、尚更なのだろう。


アスカの精神状態は、私のためにも出来る限り良好であってほしい。


眠れる時に眠って、少しでもストレスを緩和させてほしい。


そう願って、私は意識を手放した。