幼馴染×存在証明

「さぁ、そろそろ時間も良い頃合いね、始めましょうか。」


真美はそう言って手を叩き、席についた。


それから30分ほど、自己紹介や役割分担、各種設備の説明などがあった。


自己紹介中、資料の名前と自己紹介者の顔とを、逐一確認したが、佐倉颯はいなかった。


私が所属する委員会を聞いてきたと言うのは、単なる世間話に過ぎなかったのだろうか。


兎にも角にも、静かな学校生活を送れそうで、ひとまず安堵する。


「それから、2年生以上は知っている子も多いかもしれないけれど、図書室は生徒会室と繋がっているわ。」


真美が注意事項について話し始めた頃、聞き捨てならない情報が耳に入る。


「だから、この学校の図書委員は特別人気なのだけど。一年生は知らない子が殆どだと思うから、説明するわね。

繋がっているのは貸出しカウンターの奥のドアよ。

図書室側からは、鍵がないと入れないようになっているわ。

反対に、生徒会室側からは、調べ物や資料の管理をするために自由に立ち入れるようになっているの。」