幼馴染×存在証明

「生徒会室、真横…」


ジュリの企みだろうか。


否、私自身の消去法でもそうなった訳だし、きっとジュリには、生徒会漬けの日々を送っていた当時、隣の図書委員が眩しく見えていたに違いない。


そう思いたい。


気持ちを切り替えてドアを開ける。


「失礼します」


図書室の中は想像していたよりずっと広く、図書室というより、図書館という方が正しい。


辺りを見渡すと、図書委員らしき人々が、部屋の隅にあるテーブルに集っていた。


その内の1人に、ひらひらと手を振られる。


「あれ、…真美(まみ)さん?」


「いらっしゃい、涼香ちゃん、あなたも図書委員を選んだのねぇ。もしかして、ジュリさんのお勧めかしら?」


そう綺麗な笑みを浮かべるのは、橘真美(たちばなまみ)。何度かアスカに付いて出席したパーティーでお会いしたことがある、良家のお嬢様だ。

記憶が正しければ、真美は3年生のはず。


「ええ、そうです。よろしくお願いします。」


「やぁねぇ、畏まらないで。委員長は私だから、リラックスして」


そう言って真美はウインクする。