幼馴染×存在証明

「あら、遥はまだ知らなかったかしら?」


「涼香ちゃん、あの三嶋財閥にお世話になってるんだよ」


「……………へ?」


ポカーンと、見事なまでに口を開けた遥の顎を、美久がそっと元に戻す。


「みみ、三嶋って…あの三嶋?、え、三嶋?それって、2年のアスカ先輩の三嶋?」


「まぁ、有名な話とはいえ、知らないのも無理ないわね。
帝峰は他の名門校と比べ、家柄より成績を重んじてる。

学費さえ払えるのであれば、上流のお家事情を知らない生徒層も多く通ってるわ。」


まぁ、その学費が高いのだから、裕福なことには変わりないでしょうけど、と玲華は付け加える。


「み、三嶋…アスカ先輩の三嶋…アスカ先輩と……一つ屋根の下…」


どうやら頭がパンクしていても遥は遥に変わりないようで、宙を仰ぎ見ながらタラリと鼻血を垂らした。


一体何を想像したんだ。


「ちょ、遥ちゃん‼︎しっかりして‼︎」