幼馴染×存在証明

翌日。


「あー、体育の後のお昼ご飯って最高だわ!」


「遥ちゃん、たくさん走ってたもんね」


「そう、涼香のボールが速すぎて取れないのよ。おかげで、私は思い出しただけで…ウッ…やだ、先輩ごめんなさい」


「ふふ、遥さんは元気ですね」


「…………ッハ、美久、私生きてる??心臓止まってない?」


何故、だろうか。


食堂のテーブルを囲むメンバーには、いつもの通りクラスメイトの美久、遥、玲華…
そして、何故だか昨日気まずい別れ方をしたはずの、噂の王子、佐倉颯がいる。


当たり前のように。


「遥さんに捕まってしまって…お邪魔してしまい、すみません」


私の視線に気付いた彼は、気まずそうに挨拶した。


芸能人だというのに、彼は腰が低い。年下にも当然のように敬語で話す。


そんなところも人気の理由なのだろう。


「私たちは止めたんだけどね…」


「少し目を離した隙に…ごめんなさいね」


続いて美久と玲華が謝る。


「だってあの呼び出し方は誰だって気になるでしょ!

で、本当のところどうなの、付き合ったの⁉︎」


遥は爛々と目を輝かせながら、佐倉先輩と私を交互に見た。


佐倉先輩は迫る遥から少し後ろに下がり、困ったように笑う。


私は遥の裏表のない性格は気に入っていたけど…これは裏表ないどころかオープンすぎやしないだろうか。


「遥…先輩とは何もないよ。昨日は共通の知り合いについて話していただけ。昨日の放課後、そう言ったでしょ?」


それを信じろって言うの〜!?と嘆く遥は佐倉先輩にも問いただす。


「涼香さんの言う通りです、ご期待に添えず、すみません…」


いや、別にそこは期待に添わなくて当然なのよ。


「そんなぁ」


そして何故、この中で1番ダメージを受けているのが、私でも佐倉先輩でもなく、遥なのだろうか。


泣きたいのはどちらかと言うとこっちだ。