幼馴染×存在証明

アスカの長いまつ毛一本一本が見えるくらいには、近い。


心臓の嫌な鼓動が、アスカの指に伝わらないか、冷や汗をかく。


昔より関係は改善されたとはいえ、相変わらずアスカにとって私は居候で。


三嶋ではない人間が三嶋にいる限り、行動を監視するのは当然で、その自覚を持てと言いたいのだろう。


美人を怒らせると怖いと言うが、その言葉に違いなく、アスカの怒った顔は怖い。


ゆっくり息を吸って、アスカの手を退けた。


「分かった。ごめん、もう何も言わないから。」


これ以上刺激するのは良くない。


私だって、アスカに怯えた頃のまま、成長してないわけじゃないのだ。


出来るだけ優しい声色で、囁くように言う。


「そろそろ授業始まるから、行くね?」


アスカは、こうすると何も言い返さないことが多かった。


経験上、こういう場は早く切り上げるべきだ。


不自然にならないように、何でもないように。


涼香が立ち去った後、その場に残った桜の花びらを、アスカはただ無表情に見つめていた。