幼馴染×存在証明

「でも私、生徒会やるつもりないよ?」


ジュリやアスカに至っては、学校での成績や態度がそのまま総帥からの評価に繋がることもあって、主席入学や生徒会入りはもはや絶対条件と言える。


しかし私は、2人のように三嶋の未来を担うわけでもなく、卒業後は1人立ちすることを考えると、在学中はお金を貯めるためにバイトもしたいと思っているのだ。


だから多忙な生徒会には興味がない。


流石に大学まで三嶋にお世話になる図々しさは持ち合わせていないし、高校に通えていることさえ、私にとっては奇跡。


時間は無駄にできない。


「どうだろうね…アスカが会長になったとして、次期会長に涼香以外の人を選ぶとは、あまり思えないんだよね」


「んー…私、アスカに何か1つでも認めてもらったこと、ない気がするけど」


不満気に口を尖らせながら言うと、ジュリはポンポンと私の頭を撫でた。


「それはアスカの求めるレベルが高すぎるだけだよ。

涼香は首席で合格したし、今の時点では涼香より秀でてる人を探す方が難しいんじゃないかな。

帝峰の首席は伊達じゃないよ。」


もちろん、今後も頑張んなきゃいけないけどね?
と、お茶目に付け加えながら、ジュリは私の頬をプニっとつまむ。


なんだか、元会長の言葉だからだろうか、説得力がある気がする。


プニプニと頬を弄られながら、私はアスカのことを思い浮かべた。


ジュリの側につくことになって1年半、ほとんどアスカと喋っていない。


別に悲しくはない…のだが、長年ずっと側にいた人と離れる違和感は、意外にも尾を引いていた。


それに、ジュリとはどうやら頻繁に連絡をとっているらしいのに、自分のところには一切連絡しないアスカが、なんだか少し憎らしかった。