幼馴染×存在証明

「涼香は、最近アスカと上手くやってる?…って聞くのは意地悪だったかな」


「いえ、お陰様でアスカの側にいられるんです。ジュリさんには、感謝しています。」


私とアスカの関係について、ジュリはある程度把握している。


これは使用人や総帥に聞いたことなのだが、私の扱いについて、ジュリは度々アスカに苦言を呈していたらしく。


そして一度だけ、泣いている私を慰めてくれた。


実は、その時のことは感情がぐちゃぐちゃであまり覚えていないのだが、当時もらったハンカチを今でも持っている。


「アスカは幸せ者だなぁ」


「ジュリさんにそのように見えているのなら、私の努力も報われます。」


「あはははっ!」


渋い顔をする私を見て、ジュリが笑った。


互いに悪影響でしかなかった関係から、少なくとも5年、いや6年くらいは自分の意思でアスカのそばを離れなかった。


正直、幸せであってもらわなければ、困るくらいには尽くしてきたつもりだ。


「アスカに聞かせてやりたい」と笑うジュリが、あまりに笑うので心配になってきたころ、病室のドアが開き、アスカとは違う、低く重い声が聞こえた。


「ずいぶん楽しそうだな」


「……父さん」


そこにはアスカを連れた三嶋の総帥が、立っていた。