ある日記

人間失格の人生。
私は何があっても、何をしても。感情を感じることが出来ませんでした。常に無表情で、笑顔を浮かべることすらしない、綺麗に整ったお人形さんのように。幼いながらに、私は私が異常だと思いました。周りが人間であるというのなら、私は人の形をした化け物であると。周りに、何より家族に「お前は化け物だ!」と罵られてしまうのが、酷く恐ろしかったのです。なので私は、人間を演じることにしました。化け物だと罵られないようにするために。私が化け物であるということを知られないようにするために。
家では家族思いで、かまってちゃんな愛らしい娘を。学校では文武両道で、明るくユーモアのある優等生を演じました。
何も感じないのですから、最初はもちろん苦労しました。