ある日記

 家の前で咲いている紫陽花は、雨に濡れても咲き続けている。

 高校を卒業してから、私は実家を出て一人暮らしをしていました。毎日慣れない家事と仕事に追われていますが、大きなトラブルに遭遇することもなく、毎日を平穏に過ごして生きています。
 あるお休みの日のことです。私は部屋の掃除をしていました。朝から雨がざぁざぁと降っていて、外へ出掛けることが出来ないからという理由もありましたが、物が増えましたから、いるものといらないものの整理をしたかったのです。部屋の中が物で溢れている、部屋の中が汚いというのは耐えられませんから。
一通り整理をしていますと、押し入れの中から見覚えのない一冊の日記が出てきました。黒い表紙の、