「「夏だ！海だー！」」


光瑠と一緒に叫びながら海に飛び込む。


今日は補習が休みで一日だけ許可を取らなくても外出をしていい日となっていた。

そのため、寧々に連絡をして海に行くことになり、どこから話を聞きつけてきたのか宏樹と光瑠も行きたいと言ってきた。

そして光瑠がみんなとも会いたいからと、能力を少し使って“暇だったら遊びに行こう”と誘ったことで、寮のメンバー四人も来ていた。

たまたま仕事がオフだった聡志の登場に寧々は少し失神しかけていたが、サインと肩に手を置いたツーショットを撮るといったファンサを受けて元気になっていた。


「おまえはどうして死にかけることばかりするんだ」


冷たくて気持ちいい海に沈みながら、程よく体が浮き上がってきたタイミングで泳ごうと姿勢を作ろうとしたところで突然、がっと腕を掴まれて引き上げられた。


「…え？霧島慧也？」


なぜかぶすっと怒った顔をした霧島慧也は、私の腕を掴んだまま鋭く睨みつけてくる。


「あの、なんで怒って…きゃっ！」

「慧也に同感だなぁ。光莉ちゃんは病み上がりなんだからそんな激しい動きしたら、傷口がまた開いちゃうかもでしょ？」