すると、意を決したのか、むにっと清春の指が頬に触れてきてそのまま軽く摘まれる。


「…柔らかい」

「ちょっと、遊んでる?」

「あ、悪い。そうじゃなくて…やっぱり恋苺は特別なんだな。なんでかわからないけど、恋苺になら触ってもなんともならない」

「よくわからないけど、トラウマを克服できてる証拠なんじゃない?よかったじゃん」


清春が過去と向き合ったから、少しずつ前に進めているのかもしれない。

それに比べて私は、一体いつまで逃げ続けるんだろう…。