「私のこと運んでくれたって聞いたよ。嫌な思いさせて、ごめんね」
「…謝るのはおまえじゃないだろ」
清春は目の前まで歩いてくると、ぐっと拳を握り締め苦しそうな顔をしながら私を見下ろしてきた。
「…俺が女嫌いになった理由は、小学生の時に能力をクラスメイトの女子に馬鹿にされたことが原因なんだ。能力持ちの人間もいるとまだ周りが知らなかった頃、人より敏感な肌だった俺はノートを渡す時に女子と手が触れてしまって大袈裟に反応したんだ。そのせいで、俺はその女子を好きだという根も葉もない噂を立てられて卒業するまでずっといじられ続けた。男はすぐに騒ぎ立てていたことも忘れていくのに、女は何年経ってもしつこく俺の反応を見て楽しんでいて、心底軽蔑した。一時期はこのなんの役にも立たない能力を恨んで、死のうとしたこともあった。そんな時に、何かと俺を気にかけてくれていた祖母に四葉のクローバーのしおりをもらったんだ」
ポケットから取り出したしおりを、清春がそっと握り締めていた。
「今は嫌なことがたくさんあって絶望の中にいたとしても、いつかきっと幸せな出会いや出来事が俺を待っているよって。そう言って手作りのこのしおりを渡してくれた。その数ヶ月後に、祖母は元々あった持病のせいで亡くなったから、俺にとって最後の贈り物だったんだ。女嫌いになって、周りのものが全部汚いと感じて潔癖症にもなってから、俺がそれでもこの生きづらい世界で生きてこれたのは祖母からもらったこのしおりのおかげなんだ」
「…大切なものって、そういう意味だったんだね」
四葉のクローバーは、清春のトラウマを苦しいだけで終わらせるのではなく、希望を見出してくれた存在だったんだ。
「たしかに俺の中で女はみんな、人の心を楽しんで傷つけてきて、こっちの事情もお構いなしなやつらばかりだと勝手に思い込んでいた。だからおまえもそうなんだろうと思って冷たく当たった。…悪かった。本当はただ純粋に俺に歩み寄ろうとしてくれていたのに、傷つけていたのは俺の方だったな」
「…ううん、トラウマのせいで何も信じられなくなる気持ち、私もわかるから」
「…謝るのはおまえじゃないだろ」
清春は目の前まで歩いてくると、ぐっと拳を握り締め苦しそうな顔をしながら私を見下ろしてきた。
「…俺が女嫌いになった理由は、小学生の時に能力をクラスメイトの女子に馬鹿にされたことが原因なんだ。能力持ちの人間もいるとまだ周りが知らなかった頃、人より敏感な肌だった俺はノートを渡す時に女子と手が触れてしまって大袈裟に反応したんだ。そのせいで、俺はその女子を好きだという根も葉もない噂を立てられて卒業するまでずっといじられ続けた。男はすぐに騒ぎ立てていたことも忘れていくのに、女は何年経ってもしつこく俺の反応を見て楽しんでいて、心底軽蔑した。一時期はこのなんの役にも立たない能力を恨んで、死のうとしたこともあった。そんな時に、何かと俺を気にかけてくれていた祖母に四葉のクローバーのしおりをもらったんだ」
ポケットから取り出したしおりを、清春がそっと握り締めていた。
「今は嫌なことがたくさんあって絶望の中にいたとしても、いつかきっと幸せな出会いや出来事が俺を待っているよって。そう言って手作りのこのしおりを渡してくれた。その数ヶ月後に、祖母は元々あった持病のせいで亡くなったから、俺にとって最後の贈り物だったんだ。女嫌いになって、周りのものが全部汚いと感じて潔癖症にもなってから、俺がそれでもこの生きづらい世界で生きてこれたのは祖母からもらったこのしおりのおかげなんだ」
「…大切なものって、そういう意味だったんだね」
四葉のクローバーは、清春のトラウマを苦しいだけで終わらせるのではなく、希望を見出してくれた存在だったんだ。
「たしかに俺の中で女はみんな、人の心を楽しんで傷つけてきて、こっちの事情もお構いなしなやつらばかりだと勝手に思い込んでいた。だからおまえもそうなんだろうと思って冷たく当たった。…悪かった。本当はただ純粋に俺に歩み寄ろうとしてくれていたのに、傷つけていたのは俺の方だったな」
「…ううん、トラウマのせいで何も信じられなくなる気持ち、私もわかるから」

