「…大切な、ものだから」
「…え?」
清春は無意識に言葉にしていたのか、ハッと我に返ると逃げるようにキャリーケースを引いて図書室を出て行った。
「おまえはまた無神経に人の心に土足でズカズカと踏み込んで。それが嫌なやつだっているんだよ、いい加減気づけよ」
ふと、本棚の後ろから、誰もいないと思っていたのに隠れていたのか霧島慧也が出てきて、両手にポケットを突っ込んだまま鋭く私を睨みつけてきた。
「…みんなと関わるうちに、この学校に通う人たちもそれぞれ違った悩みや苦しみを抱えていて、中には誰かの助けを必要としている人だっていることに気づけたの。こんな私でも、何か力になれるなら少しでも行動したいの」
「それが偽善だってどうして気づかないんだよ」
「…偽善って思われても、うざいって思われたっていいの。誰かに評価されたくてやってるわけじゃなくて、ただ目の前で困っている人に手を差し伸べてあげられる人になりたいから。きっと光瑠でも、そうする。光瑠はバカで能天気だけど、光瑠の能力は人の心を変えられるすごい力を持ってる。私はなんの能力も持ってないけど、それでも私にできることだってあるはずだから。だから、何度拒んだって私は霧島慧也のことも知りたいとまだ思ってるよ」
「…この似た者同士が」
「え?」
霧島慧也はくるりと踵を返すと図書室を出ていった。
なんだかんだ言って、なにかと私を気にかけてくれるんだから、根は優しい人なのだと思う。
ただ人よりも、弱みを見せることが苦手なだけ。
「…え?」
清春は無意識に言葉にしていたのか、ハッと我に返ると逃げるようにキャリーケースを引いて図書室を出て行った。
「おまえはまた無神経に人の心に土足でズカズカと踏み込んで。それが嫌なやつだっているんだよ、いい加減気づけよ」
ふと、本棚の後ろから、誰もいないと思っていたのに隠れていたのか霧島慧也が出てきて、両手にポケットを突っ込んだまま鋭く私を睨みつけてきた。
「…みんなと関わるうちに、この学校に通う人たちもそれぞれ違った悩みや苦しみを抱えていて、中には誰かの助けを必要としている人だっていることに気づけたの。こんな私でも、何か力になれるなら少しでも行動したいの」
「それが偽善だってどうして気づかないんだよ」
「…偽善って思われても、うざいって思われたっていいの。誰かに評価されたくてやってるわけじゃなくて、ただ目の前で困っている人に手を差し伸べてあげられる人になりたいから。きっと光瑠でも、そうする。光瑠はバカで能天気だけど、光瑠の能力は人の心を変えられるすごい力を持ってる。私はなんの能力も持ってないけど、それでも私にできることだってあるはずだから。だから、何度拒んだって私は霧島慧也のことも知りたいとまだ思ってるよ」
「…この似た者同士が」
「え?」
霧島慧也はくるりと踵を返すと図書室を出ていった。
なんだかんだ言って、なにかと私を気にかけてくれるんだから、根は優しい人なのだと思う。
ただ人よりも、弱みを見せることが苦手なだけ。

