君に恋をする予感〜運命の人は誰ですか!?〜

違うよと言いたいのに、うまく言葉が出てこなかった。

霧島慧也を語れるほど私は彼について何も知らない。

能力持ちじゃない私がこの学校で少し過ごしたからといって、みんなの苦しみをわかってあげられる日なんて一生来ないのかもしれない…。



寧々と宏樹とわかれ、後夜祭が終わるのを待つために校庭に向かう生徒たちの波とは外れて校舎内を歩いていく。


「なー、芳明。小学校卒業してから連絡一つもくれないなんてさすがに薄情なんじゃねぇのー?」


どこか空き教室でもないかと廊下を探し歩いていると、ふと誰かの話し声が聞こえてきて角から顔を覗かせる。

廊下の真ん中では、芳明と私服の同い年くらいの男子二人組が向き合っていた。


「はは、別に、おまえらに連絡する意味もないだろ」

「おいおい、ひどいなー。能力持ちだって知ってからもおまえと唯一つるんでやってた俺らに対して、それはないんじゃない?」

「…うるせぇんだよ。つか、さっきからくせぇ香水のせいで鼻がひん曲がりそうだ。中学生のくせに随分と女子ウケを気にしてるみたいだな。ああ昔からおまえらはそういうやつだったよな。俺といれば女が寄ってくるから、ただそれだけの理由でつるんでたくらいなんだし」

「おまえと一緒にすんな!」


がっと拳で殴られた芳明は口の端から流れる血を指で拭うと、二人を憐みのこもった鋭い視線で睨みつけていた。


「おまえが普通の子じゃないから、母親だって男を作って出ていったんだろ」