一言余計…!助けてくれるなんていいやつと一瞬思った私が馬鹿だった。
*
補習一日目は無事に終わり、最後の小テストも持ち前の勘の良さで九割は取ることができた。
先生もクラスメイトも少し驚いていたけど、本当の目的はこれであったため初日はまあまあ上手くいったのではないか。
「おい」
トイレに行きたかったけど男子トイレにも女子トイレにも入れなくて、男女共用トイレを探していたらすっかり戻るのが遅くなってしまった。
誰もいなくなった教室に鞄を取りに行くと、突然後ろから声をかけられ振り向くと扉に寄りかかるようにして霧島慧也が立っていた。
「光瑠のフリをするならもっとうまくやらないと、明日にでもバレるぞ、おまえ」
「…え」
霧島慧也はスタスタと私の目の前まで歩いてくると、ぐいっと顎クイをしてきた。
「見た目だけ似せてても、おまえはちっとも光瑠に似てねぇ。うまくできないなら今すぐにでも家に帰れ。このままじゃ光瑠もおまえも痛い目見ることになるぞ」
「そ、それができたら家に帰ってるもん…。光瑠から頼まれたことだから、ちゃんと最後までやり遂げたいの。だからそのためにも、あんたが協力してくれるんでしょ?」
鋭い瞳から逃げたくなる気持ちをグッと堪え、真っ直ぐに霧島慧也を睨みつける。
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補習一日目は無事に終わり、最後の小テストも持ち前の勘の良さで九割は取ることができた。
先生もクラスメイトも少し驚いていたけど、本当の目的はこれであったため初日はまあまあ上手くいったのではないか。
「おい」
トイレに行きたかったけど男子トイレにも女子トイレにも入れなくて、男女共用トイレを探していたらすっかり戻るのが遅くなってしまった。
誰もいなくなった教室に鞄を取りに行くと、突然後ろから声をかけられ振り向くと扉に寄りかかるようにして霧島慧也が立っていた。
「光瑠のフリをするならもっとうまくやらないと、明日にでもバレるぞ、おまえ」
「…え」
霧島慧也はスタスタと私の目の前まで歩いてくると、ぐいっと顎クイをしてきた。
「見た目だけ似せてても、おまえはちっとも光瑠に似てねぇ。うまくできないなら今すぐにでも家に帰れ。このままじゃ光瑠もおまえも痛い目見ることになるぞ」
「そ、それができたら家に帰ってるもん…。光瑠から頼まれたことだから、ちゃんと最後までやり遂げたいの。だからそのためにも、あんたが協力してくれるんでしょ?」
鋭い瞳から逃げたくなる気持ちをグッと堪え、真っ直ぐに霧島慧也を睨みつける。

