君に恋をする予感〜運命の人は誰ですか!?〜

これでもう、光瑠のフリをすることは終わりだ。

私は恋苺光莉に戻ったのだ。

やっと元の生活に戻れることが嬉しいはずなのに、それなのに…。


「どうして、涙が止まらないんだろう…っ」


拭っても拭っても止まらない涙に、ここで過ごしたたったの一ヶ月間を順番に思い出してしまう。

色々あって、ぶつかったことも危険も多かったけど、それでもすごく楽しかった。

ここだったら、本当の私を出してみんなにどう思われるんだろうと気にしなくたって私も私らしくいられるかも、なんて思ってしまったのだ。

みんなと、光瑠もいる同じ教室で生活ができたらきっと楽しいだろうなと、未練ばかりが残っている。


「光莉」


名前を呼ばれてバッと振り向くと、草むらをかき分けてやってきたのは、霧島慧也だった。

涙のせいで頬に張り付いている髪の毛を優しく取ってくれた霧島慧也が、そのまま指の腹で涙も拭ってくれた。


「…どうして。今まで私の名前なんて呼んでくれなかったのに」

「光瑠のフリはもう終わったんだろ?それにおまえだってずっと俺だけフルネーム呼びだろうが」

「そ、それは、急に名前呼びなんかしても馴れ馴れしいかなと思って…」