一人だけ部屋にこもっている霧島慧也を呼びに行こうとした芳明に、大丈夫だと引き止める。
霧島慧也とは、昨日もあの後まともに会話をしていない。
無謀な私の行動に呆れて怒っているのかもしれない。
結局最後まで、私は霧島慧也に嫌われたままだったな…。
「霧島慧也にはさ、何かと私のことを気にかけて助けてくれてありがとうって、そう伝えといて」
何かを言いたそうだったけど諦めたのか、小さく頷く芳明ににこっと笑顔を返す。
「じゃあ、またねみんな。光瑠のこと、これからもよろしくね」
笑顔で言い切ると、振り返らずに寮を出た。
「…光莉」
なるべく目立たないようにコソコソとキャリーケースを引きながら校門に向かっていると、後ろから名前を呼ばれた。
「…え、麻鈴?」
まだカモフラージュとして光瑠の格好をしている私に、たしかに今“光莉”って呼んできたよね…?
「最初からあなたが恋苺くんじゃないことくらいわかってたわよ。私は霊感もそうだし、オーラみたいなものを感じ取ることだってできるの。光莉が恋苺くんに入れ替わっていることくらい最初から気づいてたわよ」
霧島慧也とは、昨日もあの後まともに会話をしていない。
無謀な私の行動に呆れて怒っているのかもしれない。
結局最後まで、私は霧島慧也に嫌われたままだったな…。
「霧島慧也にはさ、何かと私のことを気にかけて助けてくれてありがとうって、そう伝えといて」
何かを言いたそうだったけど諦めたのか、小さく頷く芳明ににこっと笑顔を返す。
「じゃあ、またねみんな。光瑠のこと、これからもよろしくね」
笑顔で言い切ると、振り返らずに寮を出た。
「…光莉」
なるべく目立たないようにコソコソとキャリーケースを引きながら校門に向かっていると、後ろから名前を呼ばれた。
「…え、麻鈴?」
まだカモフラージュとして光瑠の格好をしている私に、たしかに今“光莉”って呼んできたよね…?
「最初からあなたが恋苺くんじゃないことくらいわかってたわよ。私は霊感もそうだし、オーラみたいなものを感じ取ることだってできるの。光莉が恋苺くんに入れ替わっていることくらい最初から気づいてたわよ」

