君に恋をする予感〜運命の人は誰ですか!?〜

光瑠の能力はなかなかに人気みたいで、きっと光瑠の人柄も相まってこの学校ではかなりの有名人のようだった。

ただ歩いているだけでも次から次へと知らない人たちから声をかけられるし、このままじゃ私が光瑠じゃないことなんてすぐにバレてしまいそう。

…ていうか、そんな予感しかしないんだけど。


「なんとか撒いたかな…?てか、ここどこ…?」


人気が少ない渡り廊下のようなところまで来てようやく追手から逃れることに成功する。

しかし目指していたはずの学生寮はどこかわからなくなってしまった。

おそらく校舎の方まで来てしまったみたいだから、来た道を戻らないと…。


「…ぶっ。うわぁ!?」


地図を見ながら廊下の角を曲がったところで、誰かが来ていることに気づかなくて思いっきり鼻をぶつける。

そして、そのままその人を押し倒すようにして転ぶ。


「い…ったあ…。って、ごめんなさい!大丈夫です…」


か、と言い終わる前に、外れた眼鏡を直している黒髪の真面目そうな男の子に「美人だなぁ」と思考が持っていかれ思わず固まる。


さっきから思っていたけど、この学校なかなかに顔面偏差値が高いんだよなぁ…。

見た目も中身も猿みたいな男子しかいないうちの中学とは大違い。