君に恋をする予感〜運命の人は誰ですか!?〜

だから私は、みんなの力になりたいと思ったんだ。


「普通じゃないって言葉が、どれほど人を傷つけるものか、あなたはわかる?能力があるとかないとか、そんなの関係ないんだよ。どんなに願ったって、欲しい力を持つことはできないし逆になくすことだってできない。だから今の自分にある力だけで生きていかなければいけないの。未来を変えられるのは、能力だけじゃない。あなたには、能力がないんだから。何にも縛られずに、自由になんだってすることができるんだよ。なんでも見通してしまう目を持っていなくて、嫌なことまで聞こえてしまう耳もなく、敏感な鼻や触感も持ってない。能力に頼らなくても、自分の力で人の心を動かすことに何度だって挑戦ができる。あなただからこそ、できることだってあるはずなんだよ。諦めないで。一人で抱え込もうとしないで、たまには周りに手を差し伸べればいいんだよ。周りに助けてもらったら、その分あなたも誰かの力になれる人になればいいんだから」


震えるナイフをそっと引っ張ると、男の緩められた手から簡単にナイフを取ることができた。

邪魔で目障りな存在を消せば物事は解決するわけじゃない。

一度壊れてしまった心が壊れたことに気づかない限り、ずっと満たされることはないのだから。

悪いことの原因探しをするのでなく、自分に何が足りないのか、何をしたらいいのか、それに気づくことができればきっと未来は変えられる。


「…俺は、間違ってたのか…?毎日が辛くて苦しくて、誰かのせいにすれば少しは楽になれたんだ。俺は能力なんてものを持っていないから、できなくても当然だって自分を諦めていた。それでも俺はいつまで経っても救われることはなく、それなら大人になる前の能力者たちをみんな消してしまえば、芽を摘んでしまえば、これからもっと自分が苦しまなくてすむと思ったんだ…。俺は、自分がこの世界で一番辛いんだと勘違いをしていた…」

「間違ったことに気づけたなら、あなたは何度だってやり直せる。あなただけの可能性を見つけることができるよ」


痛みに耐えながら歪んでしまいそうになる顔をなんとか笑顔に変え、男に歩み寄る。


「あなたならできるよ」