君に恋をする予感〜運命の人は誰ですか!?〜

「あなたがしていることは、ただの逆恨みだよ。能力があるとかないとか、そうやって理由をつけて自分の人生が上手くいかないからって言い訳にしたいだけでしょ」

「うるさい、うるさいうるさい!おまえに何がわかる!?仕事が何もかもうまくいかない俺と違って、記憶力がいい能力を持ってるからどんどんと出世していく同期に、“まだそんなこともできないんだ”って馬鹿にされた時の俺の気持ちがわかるか!?俺にも一つでも何か優れたことがあれば、能力があればと、どれほど願っているかわかるか!?たまたま生まれ持った能力を使って楽に生きてるだけのくせに、普通じゃないくせに、堂々と生きてるんじゃねぇよ!」


麻鈴を突き飛ばした男が、両手でナイフを私に向かって刺し込もうとしてきた。


「光莉!」

「来ちゃダメ!」


麻鈴を助け起こし、私に駆け寄ろうとしていた光瑠の足が止まった。

霧島慧也や聡志、芳明と清春もいつ飛び出そうかと様子を伺っているのはわかっているけど、それは今じゃない。

今は、ダメだ。

興奮状態の男が何をしでかすか、よく読むことができなくて確実な予測ができない。

せっかく私一人が犠牲となっているのだから、これ以上最悪な事態にならないためにももう少しだけ耐えるんだ。

流れ出ている血が腕を伝って肘の先から垂れ落ちた。


「あなたの気持ちを全部わかることはできないよ。…だけど、楽して生きてるなんてそれは違うよ。すごい力すぎるからって逆に怖がられて避けられたり、冷たい視線を向けられたり。自分の力に自信が持てなくなって、自暴自棄になったりトラウマを抱えてしまったり。この学校に通う人たちだって、それぞれの悩みや苦しみを抱えて生きてる。必死に毎日を生きてるんだよ」