『天空の美容室』~あなたに出会って人生が変わった~【野いちごバージョン】


 その夜に起こされたのは2回だった。
 寝汗の対応とトイレ。
 その時にバナナを半分ほど食べることができた。
 少し楽になったと言って、また横になった。

 寝袋に入って目をつむると、大胆な考えが浮かんできた。
 一緒に暮らしてもいいな、と思ったのだ。
 まだキスさえしたことはなかったが、ブラジャーとパンティを手に取ったのだ。
 上半身裸の彼女を目にしたのだ。
 背中を拭いてあげたのだ。
 もう完全に友人の域を超えたと言っても過言ではないだろう。
 そんなことを考えていると、次々にその先が浮かんできた。
 彼女の花嫁姿、
 新婚旅行、
 愛らしい我が子、
 新築の家、
 ……、
 空想が止まらなくなった。
 でも、あくびがそれを中断させた。
 明日も彼女を介助しなければならない。
 睡魔に抱かれることにした。