双子アイドル、ユラとラナ


ポップのためにも、宇宙一のアイドルになるんだ!
握手会会場にふたりが出ていくとすでに列を作っていたファンたちから声援が湧き上がりました。
「握手してるときに、少し会話してあげてね」

スタッフの人からそう声をかけられたユラは頷き、ラナはとまどったように視線をさまよわせました。
なにを話せばいいのか全然考えていませんでした。
だけどもう時間はありません。

一人目のお客さんがふたりの目の前まで来ています。
「ユラちゃんの大ファンです! 応援してます!」

可愛い女の子にそう言われてユラが嬉しそうに笑っています。
けれどはじめての握手会でいつものように話すことができず「あぁ」とか「うぅ」とうめき声をあげて終わってしまいました。
まずい。