野上達の尾行に集中しすぎてこうなる可能性を完全に頭から抜けていた

「いや、これはですね?」

別に素直に言えばいいんだけど言葉が詰まった

別にやましい事をしてる訳じゃない

「あ、別に私白木の事なんとも思ってないんで」

そんな中真顔で淡々と安藤さんは言った

いや、いいんですけどね?それはそれでダメージは受けるというか

「ウケる」

「彼氏くんドンマイ」

なんて軽いノリの瑠美さんの友人2人

「じゃあなんで2人なん?」

そして冷静に当たり前の疑問

「友人が恋を優先した結果の余り物故…私らはその友人の尾行があるので、ほら、白木!早くしないと見失う!」

それに対しても淡々と答えながら俺の腕を引く安藤さん

「え、あ、うん、てことで、決してやましい事はないのでご安心を?」

まるで捨て台詞のように2人に言ってから

野上達を追いかけ始めた

「ありがと、助かった」

「別に私は本当のことしか言ってないけど」

なんて簡単なやり取りだけを安藤さんとして