このテラスでの花火は地元民だけでなく、常磐高校の面々も割と来るようで

まあ、俺たちがそうなんだからそりゃそうなんだろうけど

そんなわけで念の為、青井先輩の友人達と不意に出会っても大丈夫なように恋人のフリは一応することになった

まあ、一応、備えあればなんとやらって事で

そんなわけで割とさっくりと場所を確保する

「後15分もないくらい?」

「ですね、案外涼しいですし、人混みさえ何とかなれば完璧なんですけどね」

「お盆のに比べれば全然マシでしょ?」

赤嶺さんの問いかけに答える緑川と須田

須田の言ってることはよく分からないけれどどうやらお盆に1年2人はものすごい人混みにいたらしい

緑川も思い出してかげんなりしている

「あ、私ちょっとトイレ行ってくるね」

そう言って青井先輩が立ち上がる

「早くしないと花火始まっちゃいますからね〜」

そんな先輩にそう言って元気そうに言う須田

「そんなに時間かかんないよ〜」

それに笑って返しながら歩き始める先輩

「ふう、私もちょっと売店行ってくるわ、始まるまでには戻るわ」

そう言って今度は辻村先輩も立ち上がって歩き出す

「なんというか、3年生が1番自由ですね」

「まあ、先輩だし、始まるまでに戻ってくるならいいんじゃね?」

緑川になんて返しながら

花火が始まるまで待っていた