「…須田、お前ってバス通学だったろ? 」

校門を出てバス停を過ぎても須田が着いてきた

それに合わせて俺も自転車を押しながら隣を歩く

「よく覚えてますね、そんなに私の事好きなんですか? 」

なんてケラケラ笑いながら冗談を言う須田に

「なわけあるか!」

ツッコミを入れながら俺も笑う

部活の度に緑川と一緒にバスに乗って帰ってるのをよく見かけるだけ

「で、まぁ、そんなことはどうでも良くて、早速本題に入るんですが」

なんて急に真面目な顔をしてるようでどこか楽しそうな須田

「どうした?」

「先輩って千春先輩の事好きなんですか?」

「っ、ゲボっ、は?」

唐突なその疑問に思わず咳き込む

「そんな驚く事ですか?幼なじみなんて恋愛モノでは定番ですし、思い出の場所で思い出すなんてロマンチックなイベントもあった訳じゃないですか?」

あまりにもそれが当然かのように言ってくるけれど

「んなもんなのか?」

俺にはピンと来ない

いや、恋愛モノの定番ってのは分からなくもないけれども

「で、実際どうなんですか?私は全然先輩の応援しますけどね」

それでもやっぱり楽しそうに話す須田を見て思う

女子って本当に恋バナが好きなんだなって