星ヶ丘テラスから一望できる街の景色とオレンジ色の空

それだけじゃない

隣にいた女の子までも

全てが同じだと思えた

『ちーちゃん、おれさ、ひっこして遠く行っちゃうけど、絵描いてたらまた会えるかな?』

『うん、やくそく!ゆびきりしよ?』

ずっと忘れていた記憶

あの日、俺がこの街から引っ越す前日の夕方

ここで俺は約束をしていた

「あのさ、もしかして…ちーちゃん?」

「うん、思い出した?りょーくん?」

赤嶺さんの声に少しだけ涙が混じってるように聞こえた

「ごめん、やっと思い出したわ」

この感じだと赤嶺さんはずっと俺の事をわかっていたと思う

だけど怒ることもなく俺が思い出すのを待っててくれた

だから

「やっと、やっと言えるよ、おかえり、りょーくん!」

「ただいま!ちーちゃん!」

俺たちの頬を染めるこの色が

照れなのか、夕陽なのかは

まだ分からなかった