青井瑠美side

白木くんを彼氏として紹介した翌日の昼休み

私は1人で屋上にいた

【すいません、なんか俺と先輩が付き合ってるってクラスで少し噂になってたみたいで赤嶺さん達には他言無用ってことで簡単な事情話しちゃったんですけど大丈夫でしたか?】

一限が終わった辺りで気が付いた彼からの連絡

なんともまあ律儀というか人が良いと言うか

彼がもう少し私に対して見返りを求めるような子であればいくらかこの気持ちも楽だったのかもしれない

もう少しくらい下心で動いたって良いと思う

それは白木くんもだし、チハちゃんも

マイ達に嘘をつくだけだったら別になんとも思わなかった

だけどこうして彼を巻き込んでしまったことに罪悪感を感じて1人で黄昏ている

気持ちがいいくらいの快晴だと言うのに私の心は曇っている

なんて詩的な事を柄にもなく思ってみたり

【全然大丈夫、問題ないよ】

なんて彼へ返事はしたもののなんとも言えない気持ちになる

答えは決まっているというか、私がするべきことは分かっているはずなのに

この嘘で彼を縛りたくないのに

少しだけ縛っていたい気持ちにもなる

空の色は青をベースに少し白い雲がある

そんな空を見上げながら

「なんだかなぁ…」

私の言葉は空へ浮かんで誰にも届かず消えていく