「凄い端的に言うとだね、彼氏がいるふりを友達の前でしてたら何故か私が2年生の転校生くんと付き合ってるって話になっちゃってさ、なんか引くに引けなくなって…」

そもそもなんで彼氏がいるふりをしてたのかとかどうして俺とそんな噂に…なんて言いたいこと、聞きたいことは山ほどある訳だが

「えっと、つまりそれは俺が先輩の彼氏って設定で先輩の友達と会えばいいんですかね?」

別に引き受けると決めたわけじゃないけれど一応確認

「まあ、そうだね、とりあえずは適当に話合わせてくれればそれでって感じかな」

普通に年上の女性と話す機会が無さすぎて上手くやれる自信なんてない

そもそもその適当に話を合わせるってやつがどれだけ難しいかって話

「まあ無理にとは言わないよ、誰が悪いかで言えば私が悪いんだしさ」

でもそんな、そんな申し訳なさそうな顔をする先輩を見たら

「上手くやれる自信なんてこれっぽっちもないですけど、それでもいいんですか?」

「っ!?いいの?本当に?」

「…まあ、代わりに俺になんかあった時とか無茶頼むかもですけど」

断れなかった

「もちろん!任せて!」