ゆ、夢じゃない......


「あと.....言いずらいんだが、明日はもう少し濃い化粧をすることはできるか?俺の親はなぜか化粧が濃い女の方が好きで.....」


ん?


「私、すっぴんだよ.....?」


どこをどう見てメイクしてるって思ったんだろう。


「は?.....まじか」


するとレンくんは少し顔を赤くしながら私の頬に手を添えてきた。


「.....っ!?」


私は驚いて顔が真っ赤になってしまった。


「れ、れれれ、レンくん◎△$♪×¥●&%#?!」


どういう状況!?!?


「あ.....悪い」


「え、あ、だいじょうぶデス.....」


し、心臓止まるかと思った.....


「......やっぱり無理か?」


「え?」


何のこと.....?


「そうだよな。昨日あったばっかりのやつに、しかも歌い手とか.....怖いよな、ごめんやっぱりなかった事に───」


「い、行きます......!」


私はレンくんの苦しそうな声を聞きたくなくて、言葉を遮るように言った。



「ほ、本当か.....?」


私は何度も頷いた。


「あ.....全然レンくんに釣り合ってないし、黙せるかは分からないけど.....」


「.....ぷっ、騙すって......でも、ありがとう」


!?


レンくんがこんな優しく笑うの、初めて見た..... 。


「柊」


「.....っはい」


「一応連絡先を交換しておこう」


た、確かに.....!


レンくんはそう言ってスマホを取り出した。


.......私ついに、ラインまで交換しちゃったんだけど、、


もうこれ死ぬのかな(?)


「.....ぼーっとしてどうした?」


「いや、なんでも!」


レンくんのためならがんばろう.....!


そう思った時、予鈴がなった。


「あっ......戻らないと」


その後、美穂に問い詰められたがなんとか誤魔化せたのだった。


「.......どう考えても、俺の方が釣り合わないだろ」


独り言のように.....そう呟いていたことも知らずに。



****



......あれ?もう6時間目終わり?


今日は全く集中できなかったから、授業を受けた気がしなかったなぁ...... 。


うぅ、でも明日ってはやすぎない......?


和服とか、どうしよう。別にないって訳ではないけど...... 。


さっきは勢いで言ってしまったけど......断ったほうが良かったのかな......?