ー Front and back ー

そして.....この声。この無愛想な話し方。間違えなくレンくんだ。


あまりの衝撃に、息が詰まる。


でも、他に.....気付いた人は居ないのだろうか。


周りを見渡しても、誰も気づいている様子はなかった。


「じゃあ.....鳳くんは、柊の隣に座ってもらおうか」


先生がそう言ったあと、レンくんは私の隣に来た。


.....う、嘘でしょ?


そんなことある.....?


やばい、状況に追いついていけない.....


私の隣は誰も居ないから、時々寂しいなと思っていたけど.....


まさか、レンくんが転入してくるなんて。


近くで見ると、長身で.....スタイルも良い。


「.....おい、何見てんだよ」


え?.....待って、見てるのバレた...!?


「.....え、あ、す、すみませっ.....」


やばい、緊張しすぎでまともに声も出ない.....


てか、目.....合っちゃった。


「柊、もうさっそく話してるみたいだし.....せっかくだから学校案内をお願いしてもいいか?」


.....話してる?


って、ん?.....学校案内?


「はい!?」


やば、声裏返っちゃった.....!!


だって学校案内って、え.....!?二人っきりじゃん!!


「なんだ、できないとでも言うのか?もし事情があるなら聞くが.....」


「い、いえ.....大丈夫です」


「そうか。なら放課後、よろしく頼む」


どうしよう.....うまく説明できるかな。


胸がうるさいくらいドキドキなってる。


その後、私は授業に全く集中出来ないまま、放課後を迎えたのだった。



****


.....どうしよう。放課後が来てしまった。


先程さようならをしたので、もう教室には誰もいない。


「.....あ、えっと.....が、学校案内、しし、しましょうか?」


もうやだ、緊張しすぎて噛んじゃったじゃん.....


「.....」


って、なんで無言なのよ..... 。


.....あ、もしかして必要ないとか?


「あ、あの必要ないなら.....」


もう、帰ろう.....と思った時。


「.....お前、なんでそんなに緊張してんの?」


レンくんは気になったのか、そう聞いてきた。


「.....へ?」


そりゃ.....レンくんだから、なんて言えないけど。


本人も隠してる見たいだし.....


でも、なんて言い返せばいいか分からない。


「い、いや.....何でもないです!と、とりあえず行きましょう。レンくん.....あ」


.....やってしまった。


つい、‪”‬レンくん‪”‬と言ってしまった。