ー Front and back ー

何だったんだろう.....まあいっか。


私は結局分からないまま、授業を終えたのだった。




****


次の日。


いつも通り登校し教室に入ると、何やら教室が騒がしかった。


「転入生が来るらしいぞ.....?」「転入生来るって!!」
「うそ。え待ってイケメンが良いんだけど!!」


転入生.....?


もしかして今日来るのかな.....!?


と思っていたら、ちょうど美穂が来た。


「結花、おはよ!」


「美穂!おはよう!」


「今日転入生来るらしいね!!」


「ね!楽しみ」


女の子かな?.....それとも男の子かな?



「もしイケメンだったらどうする!?」


美穂がいきなりそう聞いてきた。


「え!!でも.....私は多分レンくんしか好きにならないよ」


「そんなのわかんないかもよ〜?」


「えぇ〜」


私はミシレアしか興味ないし、今まで誰かを好きなったことなんてない。


.....だから、絶対にないよ。


「美穂こそどうなの?」


「ん?」


「どタイプだったら」


「えー!そりゃもう嬉しいけど.....」


「.....けど?」


けど、どうしたんだろ。


「私と釣り合うわけないでしょ.....」


え?


「何言ってんの!美穂は美人だし釣り合わないわけないじゃん。絶対お似合いだよ!」


「え、それ本気で言ってる?」


「うそ.....まさか気付いてないの?」


こんなに美人なのに.....?


「てか、どう考えてもそれは結花の方がお似合いだよ」


「.....はい?何でそこで私が.....?」


「だから、結花は可愛いっていつも言ってるでしょ?この鈍感め」


いや、鈍感なのは美穂の方なんじゃないかな.....


と言おうとした時、ちょうどチャイムがなった。


「あ.....じゃあね結花!」


「うん、またね美穂.....!」


.....転入生と仲良くなれるかなぁ。


「やば、もうそろそろ転入生来るんじゃない?」「めっちゃ気になる〜」


教室はまだ騒がしいままだ。


ーガラー


教師が入ってきた。


「はい。では転入生が入って来るので、静かに」


教室が一気に静まった。


ドキドキ。


再び、ドアが開いた。


入ってきた瞬間、私は息を呑んだ。


「え.....」


黒いマスクに、目の下くらいまで伸びた長い前髪。


正直顔は見えない。だが.....分かってしまった。


.....レンくんだって。


「〇〇区から来た鳳連堵です。.....よろしくお願いします」