私は今、高級ホテルのラウンジのようなところにいる。
なんだ、このレストランは...... 。
っていうか、さっきまでめっちゃ和風な家にいたのに急に洋風って......なんかいろいろとすごいな。
「......決まったか?」
「え、あ、その言いづらいんだけど......今日あんまりお金持ってきてなくて......だから、水だけで大丈夫です」
本当に申し訳ない。
お金が足りないわけでは無いけど、どれも高額すぎて......私なんかの凡人が食べるものじゃない気がする。
「......は?お前、何言ってんの」
「え......?」
へ、今私変なこと言った......?
「自分から金払おうする女とか、いないと思ってた......」
レンくんがボソッと何かを呟いたが、私には聞こえなかった。
「今、なんて.....」
「俺が払うから、好きなの頼め」
「......っ!?」
お、俺が払う!?!?
確かに、よく少女漫画とかでこういうのは男の人がお金を出すみたいなのはあるけど...... 。
そ、そんなレンくんにお金出させるとか、ファンとしてやばすぎるっ...... 。
「お前、お金出させるのはファンとしてやばいとか思ってるだろ。そんなん、どうでもいいから」
いや、どうでもよくないし!!?
てか何で私が考えてることわかるの!?!?
もう絶対、恥ずかしくて顔真っ赤になってる...... 。
「い、いい、いやさすがに私が払いますっ......」
私は顔が真っ赤になりながらも精一杯拒否をした。
てか、レンくんは背が高いから自然と見上げるような形になってしまう...... 。
「......お前って俺のファンなんだよな?」
すると急に、そんなことを言ってきた。
「へ......?あ、当たり前じゃないですかっ」
私がそう言うと、レンくんは少し黙り込んでから、私の方に顔近づけた。
な、なに!?!?
「......良いから、今日は俺に甘えろ」
レンくんはそっと、私の耳の横で言った。
「.......」
「......なーんて」
「.......っ!?!?」
驚きすぎて一瞬呼吸が止まってしまった。
れ、レンくんが私の耳の、横で...... 。
「な、ななな◎△$♪×¥●&%#?!」
今日、いい意味でやばいことしか起きない。


