ー Front and back ー




「あら、声も可愛いわね。........学力は、どうなのかしら?」


「えっ」


ど、どう答えれば良いんだろうっ..... 。


と、戸惑っていると、レンくんが代わりに答えてくれた。


「彼女は、前回の期末でトップ2を収めている」


「......まあ!?トップ2ですって!?可愛い上に成績も良いのね!!」


え.....?


そ、そんなに驚くことかな.....1位でもあるまいし。


「蓮翔、こんな素敵な子絶対逃しちゃダメよ。ねぇ、お父さん」


「ああ.......ここまで学力も高く綺麗な人は彼女の他にはいないだろうしな」


え、え.....え?


「.....わかってる」


レンくんは少し答えづらそう顔をしながらもそう言った。


なんか、本当に申し訳なくなってきた....... 。


「じゃあ失礼する」


レンくんはそう言い、私の手を掴んで部屋の外に出た。


手を、掴....... 。


「」


「れれ、レンくんがて、てて、手を!?!?」


「ちょ、声がでかい......!」


え、もう一生洗えないってどうしてくれんだよ(?)


「あわわわわわ」


「お前、急にどうした.....?」


急にも何も前からこうですけど......!?


「レンくんは自分がどのくらい貴重な存在なのかがわかってない......」


「貴重って......ふっ、なんだそれ」


れ、レンくんの笑顔.....眩しい。


ていうか、今思ったけど..... 。


「なんで家でもマスク着けてるの......?」


「そりゃあ......身バレ防止のためだろ」


「......家なのに?」


「どこに敵がいるかなんてわからねぇじゃん」


そう言ったレンくんは、どこか悲しそうな目をしている。......ような、気がした。


「......てき?」


なんで敵?


するとレンくんは一瞬しまった、という顔をしたが、すぐにいつも通りの冷静な表情に戻った。


「その......ストーカーとか」


あっ......確かに。


ストーカーってどこまでも着いてくるらしいし。そりゃ怖くてマスクするよなぁ...... 。


「18時から鳳会が始まるが......それまでどうする?」


時計を見ると、まだ11時だった。


「ま、まだ全然、時間あるね」


どうしよう、と悩んでいると。


「どこか出掛けるか?」


「......へっ!?」


お、お出掛け......!?!?!?