「うう.....今日も推しが尊い」
推しというものは何故こんなに尊いんだ。
「また推しのチェキ持ってきてんの〜??」
私の名前は柊 結花。
最近推し活にハマっている。
「本当、『ミシレア』好きだねー」
「うん、大好き。.......美穂は推しとかいないの?」
「私はいないかなー」
即答か。
「美穂も推し作れば良いのに。人生楽しくなるよ?」
美穂.....黒川美穂ちゃんは私の唯一の親友。
中学の時から一緒だったから、めちゃくちゃ仲がいい。
髪はボブヘア。顔も整ってて美人だから、私にはもったいない友達なのかな.....とよく思う。
あと『ミシレア』っていうのは今超人気の歌い手グループ。ちなみに、顔はライブでしか出てないんだ。.....実際私は1度だけライブに行ったことがある。一言で言うと、ちょっぴり危険なイケメンって感じだったかな。
ミシレアのメンバーは.....優しくて爽やか系のミナト、大人っぽくて不思議なリーダーのシオン、無愛想だけど歌うとめっちゃくちゃかっこいいレント。ふわふわしてて可愛い系のアン、がいる。
そして、その中でも1番好きなのがレンくん。
あ、レンくんっていうのはレントくんのことね。.....ファンの中では、こう呼んでる人が多いんだ。多分、ミナトくんも「ト」がつくからだと思う。
レンくんは、とにかくかっこいい。顔も私のどタイプだし、歌も上手い。特に、ラップが超かっこいいんだよね。
「うーん.....私は今の自分に満足してるからいいや」
.....何そのセリフ。かっこよ。
「でも推し活してて金欠なんでしょ?結花も」
「ゔ.....まあそうなんだけど」
.....グッズ買いすぎてるからかな。
「まあ、気を付けなよ?騙されないように」
「だ.....騙されるって、そんな言い方.....!」
ひどい.....!
私は頬を膨らませた。
「ミシレアの事を悪く言うなんて.....ゆるせない」
「ごめんって。冗談だよ.....もう、可愛いなぁ」
「.....は?可愛いくないし」
美穂、今なんて言った?
もう.....自分が可愛いからって、私のことをバカにするなんて。
「はぁ、なんで気付かないんだろうなぁ。計算とか?いやでも中学の時からこうだし.....結花がそんな事するはずないしね」
美穂は、ブツブツと何かを呟いている。
「.....美穂?どーしたの?」
どうしたんだろう.....?
私は首を傾げた。
「うっ.....いや、何でもない。もう授業始まるから、席戻るね」
「?うん」


