名前も知らない貴方とだから恋に落ちたい







あのカップルは、見える未来の約束か。


羨ましい。



会いたいと言えば飛んできてくれて、声だけでもすぐに聞ける関係性。




遠目にカップルを見て、私たちはいつになったら会えるだろうと、会えた時のシュミレーションを頭の中で描く。


飛びついてみる?

でも、びっくりされるだろうから、とりあえず満面の笑みで手を振ってみる?




いくつものシュミレーションをして、幸せで満たした。




今日も会えないまま、自転車で三時間の旅をするのかな。




「帰ろうか。寒くない?」


「うん。綺麗だったね」




ついに一組居たカップルも車に入ってしまい、車の中で数分間何やら幸せそうに話して、帰ってしまった。





「また一人になっちゃった…」




この場所は綺麗だけど、観光地ではないから、人は常にまばら。


知る人ぞ知る、といったところだろうか。



私も、自転車を漕ぎ続けて疲れたところで出会った場所だから、穴場だと思う。




こんな綺麗な場所を見つけられて、私のタイプの青年にも出会えて、幸せだ。



あとは好青年に会えれば、問題なし。