ー結婚式の誓いの場面ー
チャペルに静けさが満ちる
空気が張り詰めたまま
誓いのキスの瞬間が訪れる
目の前のえれなをゆっくりと見つめて
俺はそっと...
その頬に手を添える
...とうとうここまで来たんだな
静かに唇を重ねる
...深く...長く
これまで積み重ねた全部を込めて
"ねぇアオ〜!誓いのキス、深すぎ〜!"
"写真撮りたくても見えないんだけど〜〜!"
友達たちの茶々が遠くから飛ぶ
唇を離した俺はゆっくり顔を上げ
えれなを抱いたまま少しだけ笑う
そしてみんなの方を見て
一言言わせてもらった
ーー「独占して何が悪りぃんだよ」ーー
そして俺はもう一度
えれなの頬を優しく包んで
微笑んだまま
再び唇を重ねる
今度は少し短く...でもさっきよりも
ずっと深い想いを重ねるように
会場には拍手と笑い声が広がっていく
だけど俺の視界には
えれなしか入ってねえ
ーー独占されてもいいって思える人が
この世に1人いるのなら
ーーそれが全部の答えだ
ーENDー



