ー4年後・春ー

静かなオルガンの音がチャペルに響く

陽の光が大きな窓から差し込んで

白い花々をやわらかく照らしてた




バージンロードの先

俺はそこに立ってた




あの頃と変わらないこの目で

けど、少しだけ大人になった自分がここにいる



──扉が開く



純白のドレスに包まれたえれなが

ゆっくりと歩いてくる

目が合った瞬間

胸の奥がギュッと鳴った



「...なあ、マジでやばい

お前、綺麗すぎて震えるんだけど」


足が自然と前に出る

迷いも、戸惑いも、一切ない

えれなに伸ばしたこの手は、ただまっすぐ

牧師の声が、静かに響いていく


「アオさん、えれなさん
あなたはこの先、病める時も健やかなる時もーー」



...けど俺はもう、誓いの言葉なんか必要なかった

視線は、ずっとえれなだけを捕えてた




「俺の人生、最初も最後もお前

それはもう決まってるから

...何があっても離さねえよ」



そのまま、えれなの手を強く握って
唇をそっと重ねた

一ーその瞬間


2人の未来は

“永遠”のスタートを静かに刻んだ