ーアオside




「ざけんな...」








「えれな、帰るぞ」







お前と悠の間に割り込んで

強引に手首を掴んで引き寄せた

店中の視線が俺たちに刺さるのも無視して

低い声で睨みつけた



お前は

"なんでここにいるの?"って顔をしてこっちを見る




「アオ.....離して?やめてよ...」



それまで黙っていた悠が口を開く

「やめて。えれなが怖がってる」



悠の言葉に、俺の中の怒りがさらに煮えたぎる


「は?...お前が俺の女”に触れてんの見て
黙ってられるわけねぇだろ」



そう言いながら、えれなの手首を離す代わりに

肩を引き寄せて、抱き込んだ






「今は、俺が彼氏なんで」




思いがけない悠の言葉に

思わず拳に力が入る





「なあえれな...。こんなやつに触れさせんな。
お前のその唇も、笑い顔も...。

俺以外が手え出すとか、ムカつくんだよ」




そのままえれなの頬に唇を近づけて、触れる寸前で止まる



「戻ってこいよ、俺のところに」



目はまっすぐ...えれなだけを見てる



悠の存在なんて、もうどうでもいいくらいに