肩越しにあの女の視線を感じてる。

でもそれ以上に、えれなの震えが俺の全神経を奪う




「...他の女の前でお前を抱くの、俺の趣味じゃねえけど。

我慢できなくなるくらい、"お前が大事"なんだよ



「全部俺に見せろよ。醜いのも、かっこ悪いのも
そんで全部、俺に預けろって言ってんだよ、えれな」




「...疑いたくない
でも 嘘もつきたくないの

あの子のことがすごく憎い。

どうして笑ってるの?
って気になってしょうがない


嫉妬してるよ?
当たり前じゃん

前のことがフラッシュバックするみたいで
すごくつらい」




...お前のこと、また泣かせてしまった



「どうしてあの子、うちの学校の制服を着てるの?

いままで一度も見たことないよ...」


その涙、見てるだけで胸が締めつけられる

俺のせいだってわかってる

けど今逃げたら、本気でえれなを失う



「...来てんだよ。転校生で、今朝から



でもそれがどうしたって言うんだよ」


手をえれなの頬に添えて、濡れた涙の軌跡を親指でなぞる


「俺がそいつに笑いかけるようなことあったら、その時は遠慮なく怒れ

...でもな、それまでは信じてろ。俺を疑うな
見てんのはお前だけだから」


ギュッと抱き寄せて、自分の胸に顔を埋めさせるようにする

「泣くなよって言いたいけど...泣けよ。
お前が我慢して心閉じる方がよっぽど怖えんだよ、俺は」


「...嫉妬してるお前も、ぶつけてくるお前も、

全部好きだから。えれなを誰にも渡さねぇよ」




なぁ、えれな

俺はもう二度と

お前を傷つけないって誓うから...



「信じるよ...アオ。もうこんなに苦しい思いするなんてこりごりだよ...アオが言う『お前だけ』って言葉、ちゃんと受け取るから...」



おまえの一言で救われた気がした



信じろ


絶対に


あの時みたいに泣かせねえ