うちの訳アリ男子たちがすみません!


 楓くんと紫苑くんを先頭にして、ずんずんと廊下を突き進んでいく私たちに、登校してきたばかりのみんなの視線が集まる。

「ねえねえ、あの子たちって一組の子だよね? サッカー部の」

「週末の試合、めっちゃかっこよかったよな~」

「あの女子も、スタンドで見たぜ。ってか……」

「「「なんで理事長が連れられてんの?」」」

 私の隣で不安そうに歩く清水先生の腕にはタブレットが抱かれている。そこには画面に張り付く理事長の顔(再びドアップ)。

 理事長もまた、何が起こるのか、不安そうな顔だ。

 そりゃ、みんな気になるよね……!

 いたるところから注目されて私は肩身が狭い。

 立ち止まった楓くんがガラッと一組の教室のドアを開けると、

「うっわあ、びっくりした。みんな揃ってどうしたの?」

 ちょうど葵が教室を出ようとしてたとこだ!

 私はいてもたってもいられなくて、がしっと彼女の肩をつかむ。

「葵! 一昨日のオープンスクールで人数数えてたよね! そのデータ見せて!」

「へっ、一昨日の?」

 葵は何が何だかわからないって感じで目を白黒させている。

 その右手には数枚の紙がはせてあるバインダー。

「な、なんかよくわかんないけど、ちょうど今、生徒会に報告しに行こうと思ってたとこだよ?」

 葵がバインダーをちょっと上げてみせる。