試合の翌日は月曜日。
つまり普通に学校がある。
「俺っち、今日無理~。しんどいよ~」
紫苑くんに無理やり連れられて、わん太くんは仕方なく玄関から外に出るけど、その足取りはすっごく重い。
「ほら、行きますよ。ミケも!」
ミケくんはというと、玄関先でマイ・クッションを抱きながら立ったまま寝ている。
渋い顔をした紫苑くんもクマができて眠そうだ。
楓くんは一人だけ涼しい顔をして笑う。
「今日も一日長いよ。放課後、僕たちはここを出て寮に引っ越さなきゃいけないんだから」
楓くんがさらっといった言葉に、私はハッとした。
そうだ。男子たちが来たあの日からちょうど一か月が経った。
すっかり忘れていたけど、男子たちが一緒にいるのは期間限定だった。
今日で、男子たちは私の家からいなくなるんだっ……!
「え~、今日じゃないとダメ? 明日にしよーよ」
「何言ってんだよ。先に言っておくけど、俺、ワンの荷物持ってやらねーからな! 自分でやれよ!」
「……サボテンのぉ、けちぃ……」
「ミケ、寝ながらしゃべんな!」
みんなの話が右耳から左耳へ通り過ぎて行っちゃって、頭に入ってこない。
なんだか心にぽっかりと穴が開いたような感じがした。


