端っこで練習している葛城くんのゼッケンは赤。

 つまり、男子たちと全面対決になるんだ!

 葵には詳細なことは言っていないけど、あの昼休みの件で薄々感じているところはあるみたい。

 ひそかに男子たちを応援してくれている。

「あ、見て見て! そろそろ始まるんじゃない?」

 葵がフィールドを指さす。

 白いゼッケンを着た男子たちがほかの先輩たちと一緒に、中央に並ぶところだ。

 向かい合って、葛城くんもほかのチームメイトと一緒に整列している。

 監督らしき人が笛を口にくわえてピーッと吹いた。

「これより、練習試合を始める。気を付け、礼」

「お願いします」

 部員全員が一斉にお辞儀をした。

 うわあっ、始まる!

 選手たちが自分のポジションへと歩いていく。

 私は胸がどきどきだ。

 と、ミケくんが私たちに気づいて嬉しそうに手を振ってくれた。

 サッカーだからか、彼の目がいつもより生き生きとしてる。

 まっすぐに見つめるその顔を見た瞬間、ドキンッと胸が高鳴った。