そう思うと、なんだか不安になってきちゃった。
私、ちゃんと進路を決めるお手伝いできたのかなあ。
葵はそんな私をよそに話題を変える。
「そういえば、みんなで動画撮ってたんだよね? 生徒会の子に教えてもらって見たよ~」
「え、葵知ってたの⁉」
特別対応係のことは言わないようにしてたのに!
葵はけろっとした顔で不思議そうに首をかしげる。
「知らないわけないよ。だって、プチバズッてたじゃん」
「バ、バズ⁉」
私と男子たちは顔を合わせる。
「あさひなちゃんの動画、やっぱりさすがだよね~。再生回数、すごかったし。でも私は昨日のも好きだったなあ」
葵はつい昨日投稿した最後の動画も見てくれたみたいだ。
退学の件は知らないみたいだからよかったけど……まさかそんなに知られるようになってただなんて!
葵はニカッと笑う。
「さくら、すごいじゃん? きっと動画が気に入って来てくれた子、たくさんいるよ」
葵は私の背中をダンッと思いっきりたたく。
「⁉」
「みんなの力はすごいんだから。だから、もっと自信持って!」
葵には全部お見通しだったみたい。
葵の手が温かい。
心まで温まったような気がした。


