うちの訳アリ男子たちがすみません!


 ミケくんは動画につける字幕とBGMを決めてくれているんだ。

 動画が撮れたらすぐ編集できるようにって。

 投稿する日までに完成させて先生に提出しなきゃ!

「もう一回やろう。いつかはいいもの撮れると思うよ」

 楓くんは仕切り直してタブレットを構えなおした。

「うまくいくまで撮り続けますよ!」

 紫苑くんもやる気満々だ。

 よし、私も頑張ろう!

 私はパンッと頬を叩いた。

「始めるよ」

 楓くんの合図で撮影が再開する。

「みなさんこんにちは! 今日から俺っちたちが紹介するのは野茨学園のオープンスクールだよ! そうだよねっ」

「当日は入試説明会や学校ツアーをはじめ、公式マスコットのいばらちゃんとも触れ合えるなんて楽しそうだな。ぜひ行ってみたいところだな」

 おっ、今度はうまくいきそうだ。

 次は私の出番!

 私は一歩踏み出して二人に歩み寄った。

「今日は十日前! 野茨学園のホームページでは参加申し込みを受け付けているよ! 当日参加でも大丈夫。入学を考えている子も、楽しそうだなって思った子も、気軽に遊びに来てね!」

 噛まずに言えた!

 私はカメラに向かってにこっとほほ笑む。

 次はわん太くんのセリフだ。

「明日は楽しいイベントを詳しく紹介しちゃうよ! じゃあ、せーのっ」

「「「待ってまーす」」」

 楓くんが録画停止ボタンを押す。